#STORY 002Noとは言わないモノづくり

Sherlock(シャーロック)開発ストーリー

開発部
T・S出身学部:工学部 生産システム工学課程

001“プロジェクトの発足”

プロジェクトの発足

私は2002年6月の入社から約14年間、実装基板が正しく製造されているかを検査する「基板外観検査装置」の開発に携わっています。基板外観検査装置「Sherlock(シャーロック)」の前モデルであるRPTシリーズでは、モーターや照明、カメラといったハードウェアの制御、画像を用いた検査方式(アルゴリズム)の開発、操作画面(GUI)の設計、といったソフトウェア開発を担当しました。
RPTシリーズは自社や協力工場での稼働は勿論、国内の多くのユーザー様よりご好評を頂いておりましたが、昨今のスマホ等を代表とする小型部品を実装した基板へ対応するため、また、国内外の潜在的な市場を掘り起こすべく、住田副社長をトップとしたプロジェクトにて「Sherlock(シャーロック)」の開発をスタートしました。
プロジェクトにてサブ・リーダーに抜擢して頂き、製品企画段階で改めて感じたのは「市場の要求レベルの高さ」でした。

002“現場の要求は「2者択一ではなく両立」”

002“現場の要求は「2者択一
ではなく両立」”

現場の要求は「2者択一ではなく両立」

昨今、スマホ等では1ミリ以下の部品が数百個も使われています。生産現場での不良発生率は百万部品に数件以下と非常に低い比率です。海外工場では高いレベルの技術者を確保することが難しく、ヒューマンエラーに由来する不良も発生します。発生した不良を社外に流出させないために、従来よりも「高速」「高精度」「多様な検査」を「容易」にできる装置が求められています。
「速度」と「精度」、「性能」と「価格」、「精度」と「使い易さ」と一見すると相反する要望を両立することが求められていました。相反する要求である理由は、例えば、「速度」を向上させようと撮像視野を拡大すれば、照明斑やレンズ歪が課題となり「精度」確保が難しくなります。また、撮像ユニットの質量増加により装置振動が増えても「精度」確保が難しくなります。「精度」を確保する為の高精度を部材に求めた場合には「価格」が数倍にも膨らむ危険があります。また、微小な不良を検出しつつ製造上のバラつきを吸収しようとすると微調整を要することとなり「使い易さ」が損なわれます。
これらの要求に対して「NO(出来ない)」と言うことは「開発好奇心集団レクザム」として、そして「一人の技術者」としても許される選択ではありませんでした。

003“基幹部材の自社設計・開発への道”

003“基幹部材の自社設計・
開発への道”

基幹部材の自社設計・開発への道

「性能」を確保し、「Sherlock(シャーロック)」を想定価格に抑えることが可能な部材は残念ながら存在しませんでした。そこで「カメラ」「照明」「レンズ」「制御基板」「機構部」といった基幹部材を全て自社で1から設計・製造しました。これは、我々レクザムが様々な製品開発を通して得た「電気」「光学」「メカ」「ソフト」といったコア技術を備えていたことは勿論、例えばカメラの様に今までは開発した経験がないものにでも「チャレンジ」する方針・風土があり、複数部署のメンバーが協力したプロジェクトであったことが大きかったと今でも感じています。
少し具体的に紹介すると、「速度」を実現するために撮像部と機構部の軽量化を図り、振動なく駆動させるリアルタイム加減速制御を開発しました。テレセントリック光学系のレンズ収差を波長毎に考慮して歪みの低減を行い、更に、画質向上用のソフトウェアエンジンも開発しました。業界に先駆けて採用した大型のタッチパネルで直感的な操作を可能とするGUIを搭載し、また、自社での検査ノウハウを反映した検査アルゴリズムを多数開発しました。ハードウェア、ソフトウェアの両方によって、現場の要望に応えることができる装置となったと考えています。

004“3次元検査装置の開発、そして、その先へ”

004“3次元検査装置の開発、
そして、その先へ”

従来は2次元検査装置のみのラインナップでしたが、2016年より新型の3次元検査装置をラインナップに加えました。2次元検査装置では画像情報での検査でしたが、そこに「高さ」情報を加えることで言葉の通り、「1次元」違った良さがあり、市場でご好評を頂いています。納入させて頂いたお客様より「とても良い製品だね」といった言葉も直接頂いて嬉しく思っています。
「Made in Japanとしてのプライド」や「製品を市場に提供したメーカーとしての責任」をもち、より高レベルな要求へと変化する市場ニーズに応えるべく、今後も更なる性能アップを目指します。そして今後の中核技術である「Iot(Internet of Things)」、「ディープラーニング」といった最新技術にも挑戦していきます。

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